京都モダン建築祭2022~御所西・岡崎編~

かなり時間が経ってしまいましたが、京都モダン建築祭の続き
御所西・岡崎エリアのご紹介です。
詳細はこちら↓
 京都モダン建築祭 (kenchikusai.jp)

まずは御所西エリアから

㉒京都府庁旧本館
 京都府の技師を務めた松室重光の設計により、1904年(明治37年)竣工。 
 かつては京都府庁舎本館として使用された。旧議場は現存する日本最古の議場とされる。
ーWikipediaによるー

 ルネサンス様式の建築物で国の重要文化財です。

旧議場

内部意匠はとても美しく細やかで、建築というよりも工芸的な要素が
強いと感じられました。

㉓平安女子学院(明治館・室町館)
明治館は、1895(明治28)年にイギリス人ハンセルの設計により、
平安女学院の教育施設として建設されました。わが国の近代建築史上
きわめて価値の高い建築物であり、小さいながら風格をもった建物と
して評価されています。

建物の特徴は、アン王女様式とよばれる様式を採用していることです。
この様式は、19世紀のイギリスで流行したもので、学校の校舎建築に
好んで使われました。明治館は、当時のイギリスの学校建築の流行を
いち早く取り入れた点でも大変貴重な建物とされています。また、建物
の隅に特別の形をした煉瓦を使うなど、煉瓦造りの技術も極めて本格的
なものです。
ー学校法人 平安女学院HPよりー

暖炉も趣があっていいですね。
当日は学生さんが説明をしてくださいました。
ここで普通に講義を受けているとは、本当に贅沢です。

あちこちに改修のあとが見られましたが、このような素晴らしい
建物を保存してくださることに感謝の気持ちでいっぱいです。

㉔聖アグネス教会
当聖堂は、日本聖公会の京都地方部(現・京都教区)の大聖堂として
1898(明治31)年に竣工し、献堂式が行われて聖三一大聖堂と命名
されました。設計は立教学院初代校長も務めたアメリカ人建築家
ジェームズ・マクドナルド・ガーディナーによるものです。
 外観は煉瓦造のゴシック様式の三廊式バジリカ型で、袖廊の小さい
左右非対称の礼拝堂と、烏丸通りに面する東北角にある三層の鐘楼が
特徴です。
 内部では小屋組みのはりなどの材木をむき出しにしたデザイン、
南東角には礼拝準備室(ベストリー)が設けられ、南西角の八角形に
張り出す洗礼室(バプティストリー)など、明治期のキリスト教会堂
の特色を伝えています。

ー日本聖公会 聖アグネス教会HPよりー

天井の架構が美しいです。

ステンドグラスは、室内からこんなにも鮮やかに見えるのですね。

㉕大丸ヴィラ
日にちの都合で建物の内部は入れませんでした。涙
外から眺めるだけ。
それでも、ハーフティンバーの重厚感や、イギリス風洋館の佇まいが
うかがえました。

【地下鉄の丸太町駅を北へ上がると、イギリス風の洋館があります。
駅の出入口もその塀のデザインと合わせています。この洋館は大丸
百貨店店主の下村家が居宅として昭和7年にヴォーリズ建築事務所の
設計、清水組の施工によって建てられました。
 当時、日本化して行く洋館の中で、イギリスのチューダー様式で
まとめられていますところから中道軒(ちゅうどうけん)と名づけら
れました。急勾配の瓦屋根に煉瓦積の煙突を付け、鉄筋コンクリート造
でありながら妻面には太い柱型を見せたハーフティンバー(半木造)に
よって変化に富んだ外観となっています。
 室内にはヴォーリズの計画になるアメリカのキッチンジャー社の家具
が残されており、ともに京都市登録有形文化財になっています。】
ー京都市HPよりー



次は、岡崎エリア
㉙京都市京セラ美術館

この建物は、昭和8年(1933年)に創建。設計は建築家:前田健次郎氏
鉄骨鉄筋コンクリート2階建ての帝冠様式です。

帝冠様式は、1930年代に推進された和洋折衷の建築様式で、洋風
建築に和風の屋根かけたデザインとなっています。
他には、東京国立博物館本館、九段会館、高島屋日本橋など。

アールデコ調の階段

ステンドグラスが本当にきれいです。

庭園にはガラスの茶室があります。写っていませんが。。。

真っ白な大空間に螺旋階段がオブジェのよう

㉛京都国立近代美術館
こちらは、国立近代美術館の京都分館として、1963年に設立。
現在の建物は、1986年に建築家:槇文彦氏設計により建てられました。

今回の建築祭では、特別に要人しか通れないという上部通路を行ったり
来たり。

通路からの景色

㉜時忘舎(旧竹中精麦所)
ここは水車動力により精麦する大正の町工場:竹中精麦所跡。
今は、時忘舎というカフェ。

水車小屋に裏庭もあり、水のせせらぎが聞こえる落ち着いた空間です。

店内天井には古民家特有の曲がり梁があったり、リニューアルした
部分があったり。
それぞれが融合して、名前通り時間を忘れそうです。

朝から夕方まで駆け足での建物探訪でしたが、どの建物も素晴らしく、
後世まで残していきたいなと思いました。

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